最中に何度も何度も名前を呼んだ。
アンタだけはわかってほしくて。
恥ずかしいくらい泣きじゃくった。
俺って奴を、わかってよ。
なぁ。















「で、どうしたよ?」












行為が終わってアスマの口からでたのがこの一言。
聞かれたところで言わない俺の性格をよく知ってるくせに。
俺はアスマに背中を丸めて布団の中でうずくまる。











「言いたくないならいいけどな」














アスマのいいとこってこういうとこだと思う。
無理して聞き出すことはない。
だから話しやすい。
ガミガミ説教したあげくにこっちの言い分も聞かずに、「可愛くない」の一言で
終わらせる親戚のおっさん共とはワケが違う。
恥を忍んで聞いてみるか。









「俺って・・・・わかりにくい?」








「は?」










布団から頭を半分だして、聞いてみた。
予想通りマヌケな声が返ってきたが。












「何考えてるか・・・・・わかりにくいだろ?」














どんな返事がくるのか期待と不安が入り混じる。
沈黙がいやに長く感じられて再び頭までずっぽりと布団を被った。
怖い。








「・・・・・・。」





ドキドキドキドキ・・・・。






・・・・・なんかしらねーけど、おっさんまで布団に潜りこんできて、ぎゅっと
抱きつかれた。











「アホか」








「???!!」









アスマはずるずると俺を抱えたまま、布団を半分どかした。
肩にひんやりした空気が触れた少し寒かった。
おっさんはケタケタと笑っている。








「お前ほどわかりやす奴もいねーよ」








「な・・・・なんでだよ??」








「機嫌悪けりゃ眉間のシワ増えてるし、照れてりゃリンゴみてーに顔赤くなるし。
辛かったら口はへの字に曲げてるし。わかりやすいっつーの。」











・・・・・なんだよ。将棋は俺に勝てねーくせに、わかってんじゃねぇかよ。
ちょっと、いやだいぶ・・・・嬉しいかな。










「どっかの100人がわかんねーって言ってもよ、俺がわかってりゃいいだろう?」












100人の敵より、1人の味方。
それがアスマならなにより心強い。














「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。」














「お前は今、俺の考えてること、わかるか?」








「・・・・・わかるよ」









言いたくないけどな。












「上等。よくできました!」












「まてまてまて!!良いっていってねーだろ!この盛り熊!!!」

































「シカマル・・・この間はごめんってばよ・・・・。」




「あぁ?何かあったっけ?」




「いや・・だから・・・・・」




「あー、良い天気だなぁ、ナルトー」





「・・・・・。」





「わかってくれる人が1人でもいればいいよなぁ?」








ナルトにとってのイルカ先生のように。
俺にも味方が1人でもいれば、いいや。
そうすればいちいち他人の言葉なんか気にしなくて良い。









「やっぱりシカマルってばよくわかんないってばよ・・・」




「お前がバカなんだよ。」





「ひでー・・・。」











ナルトの言葉にへこんでたのがアホらしいくらい、
空はキレイに澄み渡っていた。







終。
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