栗、拾いました3

アスマの持ってきた袋に入るだけ入れて、終えることにした。 「けっこう拾ったな」 栗ご飯のことを想像するだけで口の中によだれが溜まる。 チョウジの卑しさがうつったかな? 「栗、拾いましたー・・・・栗拾いマスター、なんつってな♪」 「だから、面白くねーっつーの!おっさん!さっさと帰るぞ!」 どうしてこんなおっさんとつきあってんのか、たまに自分でもわからなくなる・・・・。 山を下る最中。 俺が投げた栗のイガが頭に刺さったまま、アスマは歌いだした。 「大きな栗の〜木の下で〜♪」 幸せそうな奴。多分、幸せなんだろうけど。 「あーなーたーとぉワタシー♪」 いちいちこっち見て、にやつくな! 「仲良く、アソビマショ〜♪大きな栗の〜木の下で〜」 アスマの足が止まった。同時に下手くそな歌も止まった。 それもそのはず。 俺の口を塞いでいるんだから、歌えるわけがない。 外見がツンツンで俺に甘いのはアンタじゃないか。 大きな栗の木の下で。 モドル