奈良家の恋愛事情

ある日の奈良家の食卓。 ヨシノは用事でいないため、そっくり親子が向かい合って食事をしている。 「シカマルよー、お前も年頃なんだし強くて美人な恋人の1人や2人いねーのかよ」 「またそれかよ…めんどくせぇ」 男は女がいなきゃダメになる、と持論を唱えつつヨシノに頭の上がらないシカクと この手の話をするのがシカマルはめんどくさいのだ。 「好きな子もいないのか?」 「…いないこともないけど」 「へー!どんな子だよ」 「美人じゃないけど、強い」 アレを美しいと形容したら目が腐っている。 「いいじゃねーか!連れてこいよ」 ルンルンご機嫌な親父に対して バツの悪そうな息子。 「……嫌だ」 「なんでだよ?未来の嫁さんになるかもしれねーだろ」 それは不可能だから。 「孫が見れる可能性もでてきたなぁ」 それもありえない。 「気が早えーし、無理だし」 「ぁん?無理?」 「親父より背、あるぜ」 175ある自分より背が高い…そんなでかい女性が里にいたか?と考える。 「上忍だから…強いけど」 上忍…?かなり候補は絞られる。 知らない間に昇格したくのいちがいるのだろうか。 「年上?」 「だいぶ」 ますます思いあたらない。 確かにシカマルには年上でぐいぐい引っ張ってくらいの方が似合う、とシカクは思う。 「…まさか紅?」 「好みじゃない」 「うー…」 誰だ。うちの可愛いバカ息子のハートを射止めた女性は!! レッツ分析!! シカクは今までの息子の発言や行動から考えるありとあらゆる人間を考えた。 最近の行動…上忍…年上…背が高い… 「ま…まさか!!」 いやいや冗談だろう。確かに常々「女はめんどくさい」と言っている息子だが、 まさか15にして男色に目覚めるとは考えたくもない。 万が一…そうだとしてもよりによって熊をチョイスする好みには男として一言文句をつけたい。 しかし、導き出した答えの中ではソレが一番ありえそうなのだ。 「…シカマル…」 「んー?」 「ア…アスマか?」 「………」 うわー!息子が目を背けた!100%あたりじゃねーか、コレは! 何か照れてるのか、ほっぺた赤くしやがって…可愛い息子め! 「せめてカカシにしとけよ…見た目的に」 うん。まだ綺麗目なカカシなら父ちゃんも許せるぞ。たぶん、母ちゃんもな。 「うるせーな。アスマぐらい適当な奴がめんどくさくなくて楽なんだよっ…!!」 「……」 あーあー。ゆでだこみたいに顔真っ赤にして。 こんなシカマル初めてみたぜ… てか、そんなに好きなのかよ… 「…父ちゃんのがダンディだと思うぞ?」 どうしても相手があの熊なのが許せなくてわけのわからないことを口にした。 予想どおり無視されたが。 「ごちそーさま」 さっさと席をたち、シカマルは食器を洗い始めた。 どうしても気になることがもう一つ。 「シカマルー」 「あんだよ」 「キスした?」 ガッチャン!! 皿が真っ二つに割れた。 「あーあ、母ちゃんに叱られるぜ」 「アンタのせいだろ!!」 「んなに驚くことじゃないだろ」 「なななな…何聞いてんだよ!変態親父!」 「いいじゃねーか。男同士腹割って話そうぜ♪」 シカマルの割った皿を手伝ってやろうと立ち上がったシカクは質問したことを さっそく後悔することになる。 息子の首にくっきり鮮やかな痣を見て。 (アスマ…(怒)) 終。
<あとがき> ここまでおつきあいいただきありがとうございます★ 親ばか万歳!w 戻る