忍は里のためなら道具にもなる。
ある少年がいつか口にした。


自分にとって忍びになりきることは難しいが、
ある男の夢を叶えるためなら忍びになる。

それが自分の夢だから。
道具でもいいからそばにいたい。



あの時、ナルトは激昂して叫んだ。
「それしか存在意義がないのか」と。
俺には少年の気持ちが痛いほどわかる。





それしかないのだ。
それだけでも、そばにいられるのならいい。
ただの道具でも。













LOVE SLAVE

埃かぶった資料室に人目を避ける様に2人は入った。 気配を押し殺し、乱雑に積まれた書物の間を抜ける。 「誰か片付けろよな…ったく」 カカシの一歩前を歩く男がぼやいた。 「普段入る用事ないしねー」 自分でやればいいのに、と思いつつカカシは受け流した。 たまにアカデミー教師が教材を取りにくるくらいで入る用事が滅多にないからこんなに埃まみれのだ。 だからこそ2人はこの場所を選んでいた。 アスマは整然とした長テーブルに腰をかけ、カカシが額あてと口布を取る様子を見ていた。 憎たらしい程に綺麗な横顔だと思った。 血で染まった体なのに何も汚れを知らないかのような透き通る白さ。 左右色の違う瞳がアスマの目を捕らえた。 恐怖を覚える程に真っ直ぐな瞳に耐えられず目を逸らした。 色気という名の幻術にいとも簡単に嵌められそうになる。 「…恐ろしい男だぜ…お前は」 何も考えず口にした一言にカカシは悲しそうに笑った。 それを見てアスマはズキリと胸が痛むのを確かに感じた。 痛める必要はない。 これはあくまで遊び。 「……恐ろしいかぁ…」 アスマの言葉を繰り返し、しばし悩む。 これまで数え切れないほど恨みはかってきて、幾多の忍びに言われてきた言葉。 慣れてはいても、アスマの口から聞くのはきつかった。 「…俺が怖い?それとも…」 アスマのベルトに手をかけながら、カカシは目を光らせた。 「本気になるのが怖いの?」 挑発的な言葉にアスマは眉をしかめた。 カカシが何を考えているのか、わからない。 「本気になるわけないだろが。」 余計な意味をこめないように気をつければ逆に不自然な棒読みになってしまった。 「そうだよね。そうだと思ったよ」 膝までズボンをずりさげ、露になったアスマの起ち上がりかけたモノを口に咥えた。 「ん…っ」 頭の中で繰り返すのはさっきのやりとり。 【本気になるわけない】 頭の中にはっきりと残っていた。 頭がカーっと熱くなって、このまま歯を立ててやろうかとも考えた。 「……」 が、すぐに冷静さを取り戻した。チラリと上を見上げれば、アスマが立ち上ぼる快感に唇を 噛んで我慢していた。 それを見て計画は取りやめとなる。 どんなにやせ我慢しようが自分のフェラで感じてるのは明白だ。 それが何より嬉しくて、フッと目元を細めた瞬間に、喉の奥までグッと突っ込まれる。 「っぅう?!」 カカシの髪をわし掴みし、押しつけていた。 「笑ってんなよ」 低く唸るような声に、畏れることなく、カカシは舌を動かした。 「っんぅ…ぅ」 押えつけられたまま、右に左にと舌を這わせた。少しずつアスマの力が抜けていく。 弱った頃を見計らい、青と赤の瞳で訴えかける。 道具でもいいから そばにいさせて。 あんたの性欲処理の道具でもいいから、そばにいさせてよ。 それしかないんだから。 「カカシ・・・・・。」 押さえつけられた力がなくなると、吸い上げるように丁寧に舐める。 「カカシ・・・・。」 もっと、呼んで。 「んふ・・・・っん・・・」 俺は面倒くさい女じゃないからね 恋人にして、なんてずうずうしいこと言わないよ こうしてるだけで充分幸せ 「カカシ!!」 最後にそう名前を呼んで、アスマは俺の口の中に欲を吐き出した。 ほら。 ちゃんと道具の役目果たしてるでしょ? だから そばにおいてよ。 終。 おまけもあったり・・・します。
<あとがき> ここまでおつきあいくださいまして、ありがとうございます★ あんまエロスな感じがでず・・・残念ムードばっかり出てます。 ただの体だけの関係ってのもアダルティな感じでいいかな、と。 戻る