I let you hurt2







アスマの家に到着し、二人はドカっとベッドに腰を下ろした。
まずアスマはケガの酷いシカマルの上半身から手当てを始めた。
上着を強引に脱がして、止血処理を行う。







「痛っ!いてーいてー」





「男がびーびー泣くな」





と言われても武骨な指の手当ては荒々しいのだから仕方がない。





「てかよ、アンタ先にやれよ!頭から血でてるし…」





「まぁそのうち止まるだろ」






物ぐさにも程がある。よくこんないい加減な先生の下でやってきたな…とシカマルは苦笑した。
ようやくシカマルの手当てを終えて、自分の止血処置を始めた。



ぼーっとその様子を見ていると、あることに目が止まる。











「アスマ…別人みてー」





「は?」




「前髪」






「かっこいい?」





「馬鹿か」










ちょっとだけかっこよくて見とれたなんて言えやしない。調子に乗るから。







「あんた…頭のケガ・・・病院行かなくていいのか?」







巻いたばかりの包帯がすでに赤く染まっている。
いくらアスマでも出血多量になったら死ぬに決まっている。
それは非常に困る。
自分の判断ミスのケガが原因、と言われるのも嫌だし、
アスマがいなくなるのが困るのだ。
まだまだ教わることは多いのだから。











「シカマルがキスしてくれたら治る」








シカマルの心配をよそに、アスマのにやけた顔がすぐ目の前に







「ばっか…っ!」







熱っぽいアスマの舌が侵入してくる。








「っ…ぅ…」






恥ずかしさのあまり目をつむっても、熱い存在から逃れることはできない。
ケガ人と思えない力でアスマの胸に引き寄せられ、
心拍数が上がる。







「くくくっ…シカマルの心臓うるせーなぁ」




「っ…知るかよっ!あんたケガ人なんだから無理すんなよな!」




「上忍なんでな、これでも」







ニヤリと意地悪く口を緩めて、アスマは太股の上にに向かいあうようにシカマルを座らせた。







「…俺、ケガ人なんだけど・・・」







これから起きる行動が容易に想像がつき、呟き俯く。手当ての為に二人して上着は脱いだままだから、
目の前のアスマの逞しい体に目のやり場に困る。見慣れているはずなのに心臓のうるささは静まらない。
それに構わずアスマはシカマルの雪のように白い肌に痕をつけていく。






「…何照れてんだよ」






「照れてなんか…」








ニヤニヤしながら馬鹿にされたのが悔しくて、シカマルはじっとアスマを見つめる。
首筋には頸動脈を狙われたような刀傷、肩にはえぐられたような傷…もっともっと古い傷。
幾多の戦いを抜けてきた男の肉体なのだ、と改めて感心し、唾を飲む。



もし、今回の任務にアスマがついていなかったら…















全滅だっただろう。








次へ