鬼ごっこ3

さすが上忍とでもいうべきか。 所作の一つ一つに無駄がなく、物音も必要最低限しか立てない。 あれだけギシギシ鳴っていたベッドすら、大人しくしている。 問題は別のところにあった。 「…っはぁ…ん…」 「お前が一番うるせーんだよ、馬鹿」 下着まで脱がし終わり、すこ〜しいじっただけでこの媚態。 つくづくシカマルもエロくなったものだとアスマは思った。無論開発したのは自分。 「だって…ぇ!」 嗚呼、可愛い。可愛いすぎる。人目を気にするくせに、自身の声が一番うるさいのだ。 この細い体の何処から出るのかと疑問に思うほど、大きな喘ぎ声にゾクゾクせずにいられない。 が、騒音の一つなのも事実。うるさ型の教員が駆けつけられたら興ざめだ。 「うるせ〜なぁ。これでも噛んどけ」 「んぐっ」 しゅるっとほどいた自分の腰布を丸めてシカマルの口におさめた。 ずぶすぶと2本目の指を挿入する。 「ーっんっーっ!」 「シカマルー?イクなよー?」 そう問えばムリムリと言わんばかりに首を横に降っている。 ピンポイントばかり突かれて、ダラダラと先走りを垂らしている。 「んーっ!」 ふとアスマが周りを見渡すと、大変素敵なアイテムが目に入った。 喚くシカマルから指を抜き、ソレを取りにベッドから降りた。 (いちいち 止めるんじゃねー!) 焦らされる方の身にもなれと、ご機嫌に帰ってきたアスマをキッと睨みつける。 …予定だった。 「どうよ」 あまりに誇らしげな顔にただ唖然とする。アスマが見つけた素敵アイテムとは、 医務室にあって当然の白衣。ベストの代わりにソレを羽織っていた。 「そそる?」 わざわざ感想を聞くためになのか、飽きたのかシカマルの口から布を取り出した。 「ば…っかじゃねぇの?」 シカマルは 一瞬でもドキッとしてしまった自分を否定するように冷たく言い放つ。 が、それもアスマの欲を掻き立てただけだった。 「可愛くないな〜素直にステキです、とか言えないのかよ」 「!!!」 突然に放置されていた場所を捕まれ、腰が浮く。 「淫らな患者だな〜おい」 「っ…ぃ…」 「イクなっつったよな?」 散々焦らされた挙句に達することも許されず、自然とシカマルの目には涙が浮かぶ。 先に解した場所へ再び指を進めると簡単に飲み込んでいく。 「お前なー…」 焦らすだけ焦らした。予想以上の反応のよさに「ごちそうさま」と丁寧に手を合わせたくなる気分だった。 否、まだこれからだから「いただきます」か。 「じょうずーにおねだりできたらイカしてやるよ」 「え…っ?」 「先生、て呼べたらな」 人前でないかぎり、「アスマ先生」と呼ぶことはなくなっていた。二人きりの時 は限りなく馬鹿な姿を見ているからだ。こんな時に呼ばせるなんて 屈辱だ。 「誰が呼ぶか馬鹿」と一発殴ってやりたい。 普段のシカマルならそう思っていた。 普段、なら。 「どうして欲しいか言ってみな」 ぎゅうっと根元を強く握られ、悲鳴をあげそうになる。 およそ似つかわしくない場所で不道徳な行為を楽しむのがそうさせるのか、 ぽろぽろ涙を流すシカマルの姿がそうさせるのか、自分はこんなに鬼だったろうか。 「っく…ぅ…」 ギリギリまで強情を張るその姿に返ってアスマの方が煽られてしまう。 (ちぃ…) 「っァぁあああ!」 手を放したと同時にシカマルの熱は放たれた。 「勝手にいくなっつーの」 「っハァ…あんた…鬼かよ…」 息を吐きながらも悪態をつく意識は取り戻したシカマルの脚を肩にかけた。 「酷。やさしいお医者さんだ」 「どこが…ぅわぁ!」 いつどのタイミングで行ったのか不明な速さでベルトを外していた。 ピタリとアスマの欲棒がシカマルに当てられる。 「ちょと…ムリ!まだ!」 「お前がムリでも、俺も無理だ」 ニタリ、と医者は笑い、シカマルの先に吐き出した液体を滑らせながら、ゆっくりと侵入を始めた。 「ア…っスマ!」 多少解されていたとはいえ、規格外のサイズは何度行為を繰り返しても慣れることはない。 「力抜け…」 ギューと締め付けられて痛い。泣きじゃくるシカマルに体重をかけ、キスを落とす。 「っぅ…ん…」 甘い声に、自然と自分の首にまわされた腕。 可愛いったらありゃしないのだが 「あんた鬼かよ」など悪態をついていた姿と比べると笑えてくる。 どっちもシカマルなのだ。頭も天才クラスならアスマを酔わせることにも天才クラス。 だからアスマはもう一度耳元で繰り返し頼んだ。 「せんせー、て呼んで。」 「…っ…は…」 額や耳たぶや、首にマブタに唇にアスマはキスを落とした。 それに緩んだのか 「……せん…せー?」 体の力も抜けたようでアスマはようやく自由になる。 「さて、治療をはじめますか」 シカマルの口を塞ぎながら奥まで一気に挿入。 「っ!!ぅ!」 髪を引っ張られるのも無視、背中に爪を立てられるのも我慢、律動を速める。 アスマにも余裕は残っていなかった。 一度吐き出したシカマルも既に熱を取り戻していた。 「っハァあ…!」 白衣に負けない程、白い身体はエロくて。 「…せんせっ!!」 可愛いすぎるほどに従順で。 「シカマル」 可哀想な程、鬼のような熊男に愛されている。 そんな鬼にいつも捕まるの 「シカマル」 低い声で名前を囁かれるのが嫌いじゃないから。 「…シカマル」 白衣を着ちゃう様な変態親父でも許してしまうのは シカマルも同じ気持ちでいるから。 「愛してる」 とびきり低い囁きと同時にシカマルは意識を手放した。 うっすらとアスマもまた果てるのを視界に入れながら… 次へ