夫婦の領域






今日も平気な木の葉隠れの里。
大蛇丸や暁との激しい戦いが遠い昔に感じられるほど、穏やかな空気が流れている。
カカシは、一足先に箸を置いた。



「さ、ナルト。飯食ったら任務に出発するぞ」



カカシとナルトのツーマンセル任務。未だに下忍のナルトを中忍にするためのスパルタ
教育ともいう。とはいうものの、平和を取り戻した里に早々物騒な任務の依頼がくるわけもなく、
手持ち無沙汰な雑用任務が多かった。



「カカシ先生〜俺、今日の任務のこと全然内容聞いてないってばよ。」

「まぁ・・・簡単に話すとだな・・・。」
 
 
 






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 
 
 
 
 
いつものように芝生に寝そべって空を眺める。
断じてサボってここにいるわけではなく、今日は早く終わっただけのこと。
毎日がこんな平穏ならいいのに・・・







「なぁーんだ、シカマルってばこんなとこにいたのかぁ!」




早くもシカマルの平穏は崩された。面倒くさいが、後ろに上忍のカカシの姿も見えたので上体を起こした。





「なんだよ、ナルト。何か用かよ」


「あのさーカカシ先生と飯食ってて疑問に思ったてばよ。」


「…は?」


「シカマルってアスマ先生のこと何て呼んでる??」





キラキラと無駄に輝くナルトの目。チラっとカカシの方をを見れば、
半分布で覆われていて表情は読み取れないがにやにやしていることは間違いない。






(絶対裏があるな・・・こりゃ)






そもそもこの木の葉一のバカップル自分のところにそんなことを時間を割いてまで聞きにくることがおかしい。
時間があればいちゃついているのだから。







「俺に聞かなくてもいいじゃねぇか。」






「それがさー今日アスマいないんだよね〜シカマルも知ってるデショ?それくらい」








にやけた上忍が俺の肩に手を置いてきた・・・不気味すぎる・・・





「なぁなぁ、なんて呼んでるってばよ!!」


「・・・なんで言わなきゃなんないんだよ」






ムスっとして言い返してみるものの、ナルトの表情(+上忍)はますます輝きを増すばかり。







「へ〜、そんな人に言えないような呼び方してるのかぁ、シカマルって。」




「アスマちゃんとか?!アスぽん?アスマっち?」







(駄目だ・・・抵抗するだけ無駄だ・・・。)





「・・・んなキショイ言い方しねぇっすよ!アスマはアスマです。」


「・・・。」


「・・・。」



(なんだよ、急に二人して黙って・・・。)





「シカマル、仮にも上忍、上司、もと先生に向かって呼び捨てはよくないんじゃないか?」


「え・・・。」



「そうだぞ、シカマル。俺だって今でもカカシ先生はカカシ先生だぞ」



「・・・別に聞いてねぇし。」




(それにちゃんとした席では「先生」つけてるし。今更アスマさん、なんて気持ち悪すぎるし。)






「ちなみにアスマ先生はシカマルのことなんて呼んでるんだ?」





「お、いい質問だなナルト。」





「へへへ、さすがだってばよ。」






(・・・ちっともよくねぇし。何なんだよこいつら。面どくせー!)










帰りてぇ・・・











「答えるまで帰らさないよ、シカマル君。」












(おい・・・殺気でてますけど、カカシ先生・・・誰かたすけてくれー・・・!)
 






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